FAQ

Most frequent questions and answers

Active Key は、EOS メインネット上で頻繁に行うような次のようなアクション を行う上での署名をするために必要となる鍵です。

  • EOS 送信
  • ステーキング
  • 投票
  • ゲームで遊ぶ、など

Owner Key は、いわばアカウントの全権限を握っている鍵で、Active Key による動作が行えるのはもちろんのこと、Active Key を変更することもできます。

Active Key を変更するシチュエーションとしては、たとえば Active Key がハッキングされてしまった場合が挙げられます。

この場合、Owner Key でアカウントにアクセスし、奪われた Active Key を無効にすることで、ダメージを食い止めることができます。

逆にいうと、Owner Key がハッキングされた場合、そのアカウントで管理している EOS は盗まれたも同然ということになります。

このため、Active Key と Owner Key は別々のものとするのがセキュリティ上のベストプラクティスであるとされており、アカウント作成の段階で別々の Active Key と Owner Key を作成したいところです。

“CPU”、”NET”、”RAM” とは、EOS ネットワークで使用される 3 つのリソース、いわば「資源」と考えることができます。

 

簡単にまとめると、それぞれ以下のような役割を担っています。

CPU

EOS ネットワーク内でのさまざまな「アクション」(EOS トークンの送受信、BP への投票、等) を処理するための「時間的能力」を表します。

 

たとえばアリスボブに対して EOS を送信する場合、このアクション実行にはある一定の時間がかかります。EOS ネットワークでは、このために割り当てる時間を ”CPU” (単位: マイクロ秒 (μs)) で表します。そのため、「送信トランザクションに 661 μs の “CPU” を消費した」などといった表現をします。

 

なお、CPU はトランザクション実行などに伴って一時的に消費されたのち、一定時間が経過すると「回復」して再び元の所有量に戻る仕組みとなっています。

NET

EOS ネットワーク内でのさまざまな「アクション」(EOS トークンの送受信、BP への投票、等) を処理するための「空間的能力」を表します。

 

たとえばアリスボブに対して EOS を送信する場合、このアクション実行にはネットワーク内の一部 (バンドウィズ) を使用することになります。EOS ネットワークでは、このために割り当てるバンドウィズ、いわばネットワーク内「スペース・空間」を ”NET” (単位: バイト (bytes)) で表します。そのため、「送信トランザクションに 128 bytes の “NET” を消費した」などといった表現をします。

 

なお、CPU と同様に NET はトランザクション実行などに伴って一時的に消費されたのち、一定時間が経過すると「回復」して再び元の所有量に戻る仕組みとなっています。 

RAM

RAM は、アカウント情報を EOS ブロックチェーン上に保管するための手段として使用されます。具体的にアカウント情報とは、アカウント名、アカウント作成日時、公開鍵、EOS ベースのさまざまなトークン所有権などが該当します。

 

ステークを通じて所有する CPU や NET と異なり、RAM を入手するにはネットワーク内の「RAM 市場」から購入する必要があります。逆に、RAM を手放すには「RAM 市場」で売却しなければなりません。価格は需要と供給によって決定されるので、RAM 購入時に支払う EOS と RAM 売却時に受け取る EOS が同じ量であるとは限りません。

 

なお、RAM に保存されるアカウント名や公開鍵などといった情報は継続性をもつため、RAM は一度購入されると、売却されるまで継続的に所有されることになります。

 

したがって、CPU や NET のように時間の経過とともに「回復」することがない資源・リソースであるために、EOS ネットワーク内の「希少資源」(Scarce resource) と形容されることもあります (上述の「RAM 市場」が存在するのは、RAM という資源の希少性に起因しています)。

なぜ CPU、NET、RAM が重要なのか

それでは、これら 3 つのリソースによって、私たちユーザーとしては具体的にどのような利益を得ることができるのでしょうか。

 

先ほど、CPU と NET が各種「アクション」実行に際して使用され、RAM がアカウント情報保管のために使われるという点をみてきましたが、ユーザーの立場として特に重要なのは CPU と NET です。

 

なぜなら、割り当てられた CPU と NET の量に応じて、EOS ネットワークの「所有権」の程度が確定するからです。

 

CPU と NET は EOS トークンをステークすることで所有できますが、これらの所有量が多いほど、EOS ネットワーク内でより多くのトランザクションをより素早く実行できるようになります。同時に、ステークされた EOS トークンはアカウントが BP 投票に際して持つ「影響力」を表すことにもなります。そのため、ステーク量が多いほど当該アカウントは投票時に強い影響力を及ぼすことができるようになります

 

逆に CPU や NET が少なすぎる場合、たとえば投票を行うことすらできなくなってしまいます。これは、少数ホルダーへの差別というよりは、単に使用可能なネットワークキャパシティがあまりにも少ないことによってアクションを実行できないために生じる現象です。

 

加えて、「所有権」獲得に伴って EOS ネットワークを「無料」で利用できるようになっていることも重要です。

 

EOS ネットワークではトークンの送受信時などにトランザクション手数料がゼロとなっていますが、これが可能なのはステーキングによってきちんとネットワークの「所有権」が確保されているからです。たとえば CPU と NET 用にそれぞれ 1 EOS ずつステークした場合、「EOS ネットワーク内に存在する CPU および NET というリソースのうち、1 EOS 分の CPU および 1 EOS 分の NET の『所有権』を得た」と考えることができ、その範囲内であればトランザクションを無料かつ迅速に実行できます。

 

さらに、アカウントが個々に所有権を享受できるため、スパムを防ぐことが可能になります。すなわち、ステークしてある分のネットワーク所有権が確保されることになるので、スパムによってあなたのトランザクション実行が遅れたり、ブロックされたりすることがなくなります。

 

もっとも、スパムを行う人が供給されている EOS トークンの 100 % を所有していたらネットワークをダウンさせることが可能になりますが、経済的およびゲーム理論的な観点から、これは現実的とはいえません。

 

なお、このように、CPU と NET によって EOS ネットワーク内で使用可能なキャパシティが決まることから、CPU と NET をまとめて「バンドウィズ」(Bandwidth) ということもあります。

EOS メインネットは、インフレが発生するようにプログラムされています。

 

ここで、暗号通貨における「インフレ (インフレーション)」という概念を考える際、コイン発行の仕組みを理解することが大切です。なぜなら、コイン発行方針によってインフレの様相が変化するからです。

ビットコインのケース

たとえばビットコインでは 2100 万 BTC という理論上の発行上限に徐々に近づくよう、PoW というコンセンサスアルゴリズムに基づいてコインが発行され、これはマイニング報酬という形をとります。執筆現在 (2019 年 5 月) 1 ブロックあたりのマイニング報酬は 12.5 BTC であり、10 分というブロック生成平均時間を考慮すると、年間で 657,000 BTC (= 12.5 (BTC/ブロック) * 60 * 24 * 365 (分/年) / 10 (ブロック/分)) がマイニング (発行) されることになります。ここで、執筆現在 BTC のマイニング済み残高は約 1770 万 BTC なので、「インフレ率」はおよそ 3.7 % (= 65.7 万 / 1770 万) となっています。

 

 

出典: https://messari.io/c/supply/bitcoin

EOS のケース

EOS では、メインネットがローンチされた際に 10 億 EOS という総供給量が生成され、このうち 90 % (9 億 EOS) が ICO 期間で一般消費者に配布され、残り 10 % (1 億 EOS) は 10 年という期間をかけて Block.one にコンスタントに配布されます。

 

さらに、総供給量に対して年率 5 % という割合で新規に EOS が発行されます。このため、メインネットローンチから 1 年後には 10 億 EOS の 5 % として 5000 万 EOS が新規発行されることになります。EOS メインネットで「インフレ」という時は、この 5 % 分をさしています。

出典: https://messari.io/c/supply/eos

 

このインフレによって生じた 5 % 分の使徒ですが、以下のようになります。

 

まず 1 % 分は BP (スタンバイ BP も含む) に配布され、彼らが DPoS コンセンサスアルゴリズムに基づいてブロックを生成するのに必要な各種インフラを維持・アップグレードしたり、コミュニティ向け教育を提供したり、マーケティング活動を展開したりするのに使用されます。

 

残りの 4 % 分はEOS エコシステムに付加価値を生み出すような各種プロジェクトを支援するための資金として、”eosio.saving” というアカウントに積み立てられていきます。

そもそもインフレとは

これまでビットコインや EOS における「インフレ」の仕組みをみてきましたが、なぜ「インフレ」という概念が話題になるのでしょうか。

 

IMF によると、インフレは以下のように説明されています

 

“Inflation is the rate of increase in prices over a given period of time… inflation represents how much more expensive the relevant set of goods and/or services has become over a certain period, most commonly a year.”

 

(インフレーションとは、特定の期間内における物価の上昇率をさします… インフレーションは、特定の期間内 (通常は 1 年間) において、各種モノ・サービスがどれだけ高額になったか、を表しています)

 

IMF に限らず、メジャーな経済学の教科書ではインフレに対して同じような説明がなされています。

 

たとえば今日 1 個 100 円のりんごの価格が来年の今日に 1 個 110 円となった場合、「インフレ率が 10 %」といった表現をするわけです (実際はりんごのみならず、国内経済活動で消費されるあらゆるモノ・サービスなどの適切な加重平均をとった上でインフレ率が算出されますが、ここでは単純化のためりんごのみを例にとって説明しています)。

 

インフレの要因は様々ですが、需要と供給の関係でモノ・サービスの価格が決定される以上、需要・供給のいずれかまたは両方に起因するといえます。

 

例としては、モノ・サービスの需給に起因するインフレがわかりやすいのではないでしょうか。

 

オイルショックや食料危機のように、主に供給サイドによる極端な減少が原因で価格が上昇した場合これを「コストプッシュ・インフレ」などと呼び、逆に供給ペースを上回った需要が発生することで価格が上昇した場合これを「デマンドプッシュ・インフレ」などと呼びます。

 

一方、モノ・サービスの価格の尺度となる貨幣そのものの需給によって物価が上昇して発生するインフレもあります。

 

すなわち、中央銀行が量的緩和などを通じて「貨幣市場の流動性を高める (別名: お金を刷る)」ことによって貨幣の供給量が増加し、その結果として貨幣単位あたりの購買力が減少し、物価が上昇するケースがあります。

 

出典: https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-06-15/PA6QHM6JIJUR01 (下線部筆者追記)

 

暗号通貨のメリットを説明する際によく引き合いに出されるベネズエラを例にとると、法定通貨の「ボリバル」における2018 年終了時点でのインフレ率は 80000 % だったそうです。実際この異常な価格上昇に「対応」するため、たとえば 2019 年 1 月 政府は最低賃金を一気に 3 倍にすることを決定しました (こうした「賃上げ」は複数行われています)。国内での購買力の減少は多少は食い止められたかもしれませんが、こうしたことが起こるたびに為替市場におけるボリバルの価値が暴落するのみならず、雇い主においては給料支払いにおいて非常に困ってしまうでしょう。さらに、インフレ 80000 % という世界では固定金利や預金で生活している人 (リタイア後の高齢者など) はさらに悲惨な状況となってしまいます。単純計算で、1 年の間に資産価値がおよそ 800 分の 1 になるわけですから、たとえば 1 億円の貯金が 1 年後には実質 13 万円足らずになってしまうような世界です。

 

結果として、モノ・サービスの値段もこれに合わせて上昇することになります (そうでないと、モノ・サービスを提供している人々が生活を維持することが困難になってしまいます)。

暗号通貨におけるインフレとは

インフレについて、インフレの定義および発生原因にフォーカスして、りんごやベネズエラを例にとりながらみてきました。

 

では、暗号通貨という文脈で議論される「インフレ」について、再び考えてみましょう。

 

ビットコインと EOS について、インフレ率がそれぞれ 3.7 % (2019 年 5 月現在)、5 % である点を確認しましたが、これは通貨総供給量に対する新規供給量の割合をさしています。

 

ベネズエラほど極端ではありませんが、他の要因を無視してインフレ率のみに着目した場合上記「インフレ率」は、暗号通貨の購買力が 3.7 % なり 5 % 減少するということになります。ここで重要なのは、これがビットコイン経済圏や EOS 経済圏におけるインフレ率であるという点です。

 

私たちの大半が現在生活している「法定通貨経済圏」に視点を移した場合、多くの暗号通貨ではインフレではなくむしろ「デフレ」が進行しているということができるでしょう。なぜなら、各種暗号通貨の法定通貨建ての単位あたり価値はここ数年で急激に上昇しており、供給量サイドで生じる「インフレ」による購買力減少を大きく上回って価値が増加しているからです。

 

2010 年はピザを買うのに 10,000 BTC が必要でしたが、2019 年 5 月現在 10,000 BTC を保有していた場合、法定通貨建てで生活するには一生困らない程度の資金を調達することができます (膨大な税金 + 国税庁による監視の目などといった副産物には上手に対処する必要があるでしょう)。

 

出典: https://qz.com/1285209/bitcoin-pizza-day-2018-eight-years-ago-someone-bought-two-pizzas-with-bitcoins-now-worth-82-million/

 

このようにみると、暗号通貨で話題になる「インフレ」は、IMF がいうインフレの定義 (モノ・サービスの値段がどれだけ向上したか) とは現実的にはまだ結びつきません。なぜなら、実経済においてビットコインや EOS を尺度として価格がつけられたモノ・サービスはほぼ皆無であるため (ビットコイン経済圏や EOS 経済圏の規模が極めて小さいため)、「モノ・サービス」の値段がビットコイン / EOS 建てでどの程度上昇しているかを信頼できる形で計算することが困難だからです。

暗号通貨におけるインフレに浴びせられる批判

法定通貨経済圏では長い間、程よいインフレは経済にポジティブな影響を与えるものだという発想のもと、「インフレターゲット」などといったポリシーに基づいて経済活動の活性化・沈静化が行われてきています。

 

一方、暗号通貨をサポートする人々、特にビットコイン黎明期から活動しているようなコアな人々は「サイファーパンク」や「リバタリアン」などと形容され / 自らを形容し、「国家」による監視や管理を極力または完全に廃止し、「自由を手に入れる」ための手段として暗号技術あるいはこれを応用した暗号通貨を利用するという発想のもと活動しています。

cypherpunk

出典: https://news.bitcoin.com/satoshi-nakamoto-nominated-2016-nobel-prize/

 

そうしたルーツがあるためか、暗号通貨界では「インフレ」といった瞬間にネガティブな見方をされることが多々あります。なぜなら、「インフレ」を積極的に採用する通貨は、その暗号通貨経済圏における通貨の購買力減少を推進しているとみなされるからです。

EOS におけるインフレ: 再考

冒頭付近でみたように、EOS では年率 5 % というインフレスケジュールが採用されています。暗号通貨界では一般的には忌み嫌われる存在である「インフレ」ですが、EOS ではこの 5 % インフレによって重要な利点がもたらされていることも事実です。

 

すでに見たように、5 % のうち 1 % は BP に、4 % は各種コミュニティプロジェクトの資金として分配されています。

 

ここで、ユーザーである私たちが特に利益を享受しているのは BP 配布 1 % 部分になります。というのも、この 1 % から得られる資金を使って BP たちが DPoS に基づいてブロックを生成し、ネットワークを管理してくれているおかげでトランザクション手数料が無料となったり、ものの数秒でトランザクションの承認が行われたりするからです。

 

また、いわば「オンチェーン」で EOS が自動的に配布されるため、BP としても外部からの資金調達などを必要とせず、資金計画を組み立てることが比較的容易となります (法定通貨建価値の上下変動という「オフチェーン」要素とはうまく付き合っていく必要がありますが)。

 

一方、4 % インフレ部分に関しては、メインネットローンチ以降適切な用途が見つからないまま蓄積を続けることにより、ユーザーの保有する EOS トークンの (EOS エコシステム内における) 実質価値が目減りすると同時に、BP の中央集権化をより一層促進するものになっているのに加えて、潜在的なネットワーク攻撃対象になりかねない存在であるとして、EOS コミュニティ内で現在活発な議論が行われています。

 

実際、2019 年 5 月 8 日にはそれまで蓄積していた 4 % 分の EOS トークンが「バーン」され、さらに今後はこの 4 % 分インフレを廃止すべきだいう「世論」が現在盛んとなっています

EOS におけるインフレ: まとめ

暗号通貨界では一般的に煙たがられる「インフレ」が、EOS ではプロトコルレベルで積極的に採用されており、これによってユーザーがさまざまなベネフィットを得ていることを見てきました。

 

また、「インフレ」によるEOS メインネットの中央集権化やネットワーク脆弱化、トークンの実質価値の減少といった懸念も存在し、これをうまく解決するための方法について議論が行われている点も確認しました。

 

ここで、EOS メインネットにインフレが組み込まれている以上、インフレという発想自体の善悪にフォーカスするというよりは、これを活用することでいかに EOS エコシステムを創り上げていくかという点に焦点を当てて行動していくことが、EOS ネットワークに参加する私たちの役目ではないかと筆者は考えています。

 

また、こうした議論に参加し意見を表明するためは積極的に情報を入手することが大切です。さまざまなリソースにあたって自らの意見を形成したら、EOS 投票・レファレンダムシステムなどを通じてぜひ意見を表明していきましょう!

 

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